時事・知識・マインド

住宅市場の大きな転換点

2017年11月29日

オフィスのデスクより、

今から3年前、僕の会社は今は名古屋市東区にあるのですが、その時はまだ北区にありました。

当時はまだ創業して間もないため、一戸建てで、知り合いの建築会社が1階を事務所を使ってて、使っていない2階部分を間借りしてました。

2階と言っても10畳一間の大きさで、打合せは建築会社のものを共有してました。

よくアメリカのスタートアップは家のガレージで生まれるなんていいますが、まさにそれに近い状態。

その後順調に会社も成長し、今はきちんとした事務所を借りられるようになりました。今となっては懐かしい話です。

さて時を同じくして3年前、中古住宅市場における大きな転換点がありました。

中古住宅評価の大きな転換点

それは国土交通省から発表された「中古住宅て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針」を策定するというものです。

(出典:国土交通省「中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針」より抜粋)

これまで中古住宅は構造によって一律に価格が減っていき、木造の戸建住宅であれば評価は0とされ、ほぼ土地の価格で売られていました。

しかし現実には使える家もたくさんあって、メンテナンスもされていて状態もいい住宅もたくさんありました。

ただこういった状態が住宅の資産化を妨げていた要因にもなっていました。

また評価の仕方の不透明さも問題点として挙げられていました。

そこで国土交通省は、新しい中古住宅の基準を策定すると発表したのです。

指針では、「使用価値」(人が住むという住宅本来の機能に着目した価値)を評価の対象とし、個々の住宅の状態に応じて使用価値を把握したうえで評価することとしています。

金融機関も巻き込んだ指針

この指針の大きな特徴は、国土交通省だけでなく金融庁も巻き込んだ横断的な施策となっていることです。

今の住宅ローンでは一律に築年数で決まってしまっているところがあり、古くてもきちんとメンテナンスされていて使用価値のある住宅にローンが付くようになれば、中古中宅市場もより活性化します。

それに所有者もメンテナンスすることで、将来高く売却できるようになれば、メンテナンスをすることへのインセンティブにもなります。

指針から3年、ある程度の骨組みは出来上がっています。

普及にはまだ時間がかかりそうな状況ですが、そう遠くない将来の「当たり前」になると思われます。

制度だけでなく価値観も変化が必要

このような制度は不動産先進国と呼ばれるアメリカの不動産業界が参考にされています。

アメリカやヨーロッパなどの先進国では、新しいモノよりも古くて手入れされているものに価値を見出す文化が根付いています。

実際に欧米では新築住宅の取引量は全体の1割から2割くらいで、ほとんどが中古住宅です。

日本でも少し昔であれば新しいモノが好まれる文化でしたが、最近では少しずつ変化してきています。

東京では新築マンションが高くなり過ぎた面はあるものの、中古マンションの取引量が新築マンションを抜かしました。

制度が確立されるのが先か、価値観が変わるのかが先かは、卵が先か鶏が先かという議論に似ている気がしますが、住宅業界が今後大きく変わることを感じさせる転機だったのではないかと思っています。

宮田明典

P.S

この制度が普及していくと、これまでのような掘り出し物にはなかなか出会えなくなりますが、やはり健全な市場としてはそうあるべきなんでしょうね。

ただこれからの時代、「買って終わりでは無い」ということだけははっきり言えそうです。

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