自宅の書斎より、
住宅ローンのメリットのひとつに挙げられる、団体信用生命保険(以下、団信)という制度。
これは、住宅ローンを借りた債務者に何かあった場合、保険から清算できるように銀行が契約者となる保険のことです。
通常、団信は金利に含まれていて、生命保険料のことを考えれば非常に有利な制度です。
私の顧客にも、団信に魅力を感じ、あえて住宅ローンを借りておくという選択をする方もいらっしゃるくらいです。
そして団信も日々進化してきていて、最近少しずつ増えてきているのが、「がん」と診断された時に適用される団信です。
これまでの三大疾病の支払い条件
これまでにも住宅ローンの団信には三大疾病がついたものも多く存在していました。
三大疾病とは「がん」「心筋梗塞」「脳卒中」が対象となる保証です。
支払いにも条件があり、三大疾病が原因で入院や手術をし、「60日間、就業することが出来なかった」という医師の診断がなければ適用されません。
この60日間というのが曲者で、最近では1か月くらいで退院するケースも多く、適用されにくい現実もありました。
医療の進歩は続くので、この傾向はより今後も進んでいくものかと思われます。
「がん」と診断されたら保険適用
そんな中で出てきたのが、「がん」と診断されたら保険が適用されるというタイプのものです。
保険が適用というのは、団信が適用されて住宅ローンが保険から一括返済されるという意味です。つまり住宅ローンの残債が無くなるということです。
上皮内癌(じょうひないがん)と呼ばれる初期がん(ステージ0)については適用にはなりませんが、ステージ1以上の癌に適用されます。
男性で2人の1人、女性で3人に1人が一生涯のうち癌にかかるといわれている現代において、この補償は非常にありがたい内容です。
ちなみに、この「がん」補償が付いているのは、僕が知っている限りでは、三菱UFJ銀行・大垣共立銀行・イオン銀行が取り扱っています。
その他にも三菱UFJ銀行では、他の三大疾病においても、治療を目的として1週間入院すれば適用されます。
これだけ成人病が増えている中で、この内容はかなり適用対象になる方も増えてくると思うので、大きな安心になるのではないでしょうか?
「がん」特約の注意点
注意点があるとすれば、ひとつは金利が高くなることです。
通常の団信と比べて、0.1~0.3%くらい高くなるところが多いようです。
ただかなり大きな安心にはなるので、人の価値観にもよりますが、結構選ぶ方も多くいます。
またあまり大きな声では言えませんが、今の科学では、遺伝子レベルでどんな病気にかかりやすいかを調べるサービスがあります。
少し高額ですが、簡単な検査方法であなたの遺伝子がどんな病気にかかりやすいか、などなど遺伝子レベルで色んなことが分かる検査です。
僕も過去にやって、かかりやすい病気の傾向が分かるので、対策が打ちやすく知っていてよかったと思います。
例えばこれで癌になりやすいという数値が出れば、がん特約付きの団信に加入するということもアリだと思います。
ちなみにアメリカでは保険加入時にこの検査結果の提出を求められることも保険会社によってはあるそうですが、日本ではまだそのようなことはありませんので、チャンスです。
受けておいて損はないと思うので、ぜひ興味がある方は受けてみて下さい。
話はそれましたが、もう一つのがん特約の注意点としては、当たり前といえば当たり前ですが、加入前の告知が通常の団信よりも厳しくなっていることです。
これももし興味があれば事前に申告することで入れそうか無理そうかも、ある程度わかるので、不動産会社や銀行の担当者に尋ねるようにしましょう。
団信だけで充分ではない
大切なのは、団信に加入しているだけでは充分ではないということです。
たしかに癌をはじめとする三大疾病になって住宅ローンがなくなれば、住居支出がなくなり、保険のメリットを享受できます。
しかし、闘病生活が長引けば家計にもなんかしらの影響を与えますし、ケガや精神疾患などで働けなくなるリスクがあります。
最近では精神疾患などでも、収入が補償されるタイプの保険もありますので、そういった商品を含めてトータルでリスクに備えることが必要です。
あなたも、色んな視点から団信を選んでいますか?
宮田明典
P.S
ちなみに私はこの会社の他に、保険代理店も経営しています(東京海上から独立しました)。
リスクコンサルティングも得意分野ですので、住宅やお金のこと以外にもお役に立てると思います。
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