オフィスのデスクより、
国土交通省が毎年住宅購入者むけに実施しているアンケート「住宅市場動向調査」では、住宅を買った人の実に6~7割くらいの世帯が、住宅ローンが原因で生活が苦しいと答えています。
あなたはこの割合を聞いてどう思いますか?程度の差こそはあるにしろ、「かなり多い」というのが正直な感想なのではないでしょうか。
実際に私もそう思いますし、せっかく買った住宅なのに、ローンの奴隷になってしまって、生活が苦しくなってしまっては、本末転倒ではないでしょうか。
そこで今日は、住宅ローンの奴隷になってしまわないために考えておきたい、3つのポイントについてお伝えします。
ポイント①:銀行から借り入れられる金額を予算にしていないか?
よく不動産会社に訪問したり、物件を見に行ったりすると、年収を聞かれることがあると思います。
住宅ローンの借入可能額は、年収から計算していくともと分かるようになっているので、営業マンとしては「この人、いくらくらいの物件が買えそうなのかな」というあたりを付けたいわけです。
経験があれば、ある程度年収が分かれば、頭の中で「これくらいかな」という計算はできるので、その借入可能額を基準に物件探しが始まります。また営業マンに聞かなくても、インターネットでも計算できるサイトもいくつもあります。
しかし、ここで気を付けて欲しいのが、銀行の借入可能額の計算式は、あくまで銀行が勝手に決めた基準であって、それがあなたの無理なく支払っていける予算とは全くの別ものです。
ここで間違えてしまうと、ほとんどの人は住宅ローンの奴隷になってしまいます。
ポイント②:時系列を考慮していない
物件を探されている中には、予算についてしっかり考えていて、今の賃料であれば無理なく支払っていけそうだからと、ある程度今の生活水準から払っていけそうな予算を考えている人もいます。
このケースに当てはまる方は、ポイント①で説明した方よりは、はるかに住宅ローンに対する認識もあり、素晴らしいと思います。
ただし、それだけではまだ十分ではありません。時系列を考慮する必要があります。つまり、今だけでなくお子さんが大きくなり学費がかかる時期や、老後の年金生活になるときのことを時系列で考えて、無理なく支払っていけるかどうかを判断する必要があります。
これができていれば、よほどの確率で住宅ローンの奴隷になることはないのではないかと思います。
ポイント③:変動金利で予算を考えている
変動金利は、ここ9年間ほど変わっていません。途中でマイナス金利があり、固定金利は下がっているにも関わらずです。なぜでしょうか。
それは金融機関にとって、もうこれ以上下げられない限界点だからです。これ以上低くしてしまうと赤字になってしまうギリギリのラインに到達しているのです。
ですから、これから下がる可能性はどちらかといえば非常に低く、動くとすれば上がる方に動くということが、ご理解いただけると思います。
そんな中で変動金利で予算を考えていたらどうでしょうか。向こう5年くらいは大丈夫かもしれません。しかし10数年後、お子さんの教育費がかさむ時期に住宅ローンの金利が上がったらどうしますか?
バブルの時は、変動金利は8%くらいありました。これから日本がバブルのような時代を迎えるかと言われれば微妙な気もしますが、それでも金利が上がる可能性は十分にありえます。
もし金利があがって生活が苦しくなれば、住宅ローンの奴隷になること間違いありません。変動金利で借りるのであれば金利を4~5%くらいで計算してみて、大丈夫なくらいの収入や貯蓄があれば問題ありませんが、そうでなければ、見た目の安さだけで変動金利を選ぶのはリスクが高いと思います。
金利の選び方にもセオリーがあり、予算の設定にも正しい方法がある
金利の選び方や、予算の導き方は、何も勘でやればいいのではなく、ちゃんと正しい方法があります。それを知らずに住宅ローンを借りてしまうこと自体がギャンブルのような危険性をはらんでいます。
日本は欧米諸国と違い、お金に対する教育がほとんどされていません。つまり金融の基礎知識が乏しいのです。そんな状態では、業者の言われるがままに契約をして、あとから住宅ローンの奴隷になってしまうだけです。
家は一生で一番大きな買い物と言われているくらいなので、物件のことだけでなく、お金のことについてもきちんと正しい知識を身につけるようにしてください。
せっかく家を買っなのに、住宅ローンの奴隷になんかならないためにも。
宮田明典
P.S
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