住宅ローン

日銀の金融政策からみる、今後の金利動向

2017年8月22日

宮田明典(ハウスクローバー株式会社)

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー。
ハウスクローバー株式会社の創業者兼CEO。
また同時に業界歴15年以上の現役不動産エージェント。
相談は全国から毎年300組以上、実際の売買もサポートするエキスパート。
多くの人から受ける相談内容と不動産業界の現状にギャップを感じ、住宅購入に必要なサービスと優良な不動産エージェントのネットワークを構築したプラットフォーム「HOUSECLOUVER」を企画運営。 自身が情報を発信しているYoutubeやブログは多くの住宅購入者にとって欠かせないバイブルとなっている。

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オフィスのデスクより、

住宅ローンを利用する上で気になるのが金利です。

今日は少しタイトルからして固めなイメージですが、実は日銀の金融政策から中短期的な金利動向を予測することが出来ます。

今後の金利の動向が気になる方は読んでみてください。

金額が金額なので、0.1%動くだけで金利が数十万も変わったりするのでバカに出来ません。

変動金利は短期金利に、固定金利は長期金利に連動

まず金利変動を説明するうえで、変動金利と固定金利の連動している金利の違いについて。

短期金利は1年以内の償却期間の短い債券などの金融資産や負債の金利のことを言います。

逆に長期金利は1年以上の債権などの金融資産や負債の金利のことを言います。

それぞれの金利市場にあわせて変動金利や固定金利は毎月変動していきます。

変動金利は実は7年以上変わっていない

日銀が2016年2月に実施したマイナス金利によって、短期金利もマイナス圏に入りましたが、実は変動金利は下がっていません。

というのも、変動金利は銀行にとってさまざまな融資に影響するので、これ以上下げることは経営にとってマイナスの影響が出てしまうからです。

こうやって考えると変動金利ってマイナス金利の恩恵を受けていない金利と捉えることも出来ます。

変動を繰り返す長期金利

一方で10年固定や35年固定の基準となる長期金利は上下動を繰り返しています。

2016年の夏ころにイギリスにEU離脱決定など世界的な先行き不透明感から夏にはマイナス0.3近くまで低下しました。

今から振り返ると一番金利が安かったのはこの時期です。

しかしそこから上昇するキッカケとなったのは実は日銀の金利政策が原因でした。

日銀は2016年9月に短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度とする「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入し、そこから上昇に転じました。

そこからトランプ政権発足や中東情勢の悪化などにより上下動を繰り返していますが、長期金利は0%近くで推移しています。

欧米は上昇基調だが、日銀は金融緩和を維持

ここからが今日の一番のポイントです。

なぜなら今後の住宅ローンの金利がどう動くかは、日銀の金融政策によると考えられるからです。

日銀は物価が2%程度で安定するまでは、金融政策を続けるとしています。

日銀の予想では、目標達成は2019年とされています。

実際、欧米では長期金利は上昇傾向にあり、それにつられて日本の長期金利も上昇したのですが、日銀が指定価格で国際を無制限に買い入れる指値オペを実施するなどして、力技で金利を下げました。

つまり物価目標を達成すると予想している2019年ころまでは、長期金利が上昇しても日銀が力技で金利を抑える展開が続くのではないかと思われます。

日本としては欧米の金利が上昇して日本が低金利を維持できれば、円安になるため経済にとってプラス要因になります。

その結果、デフレ脱却が実現して物価が安定し、金融緩和が解消していくのが日銀の理想とする目論みなのではないでしょうか。

とはいえ、実現も不透明で、世界的なトレンドは金利は上昇傾向にあるのは間違いありません。

ちょっとしたきっかけで金利が上昇に転じないとも限りませんが、とりあえず今のところの日銀の動きを見ていると中短期的な金利動向がうかがえるのではないでしょうか。

宮田明典

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