この記事は、ハウスクローバーのYoutubeちゃんねるで投稿さてた、動画の背景や補足説明をする、解説記事になります。
動画も合わせてご覧いただくと、より理解が深まると思います。動画は記事の前でも後でも構いません。
駅近=資産価値高ではない
多くの方が、マンションは駅近であればあるほど、資産価値が高いと考えられています。
その考え方は間違いではないですし、正しい解釈です。ただし、一部例外があるという話になります。
その例外というのが、「超駅近」のマンションです。超駅近とは、駅から徒歩1分や2分のマンションのことを言います。
普通に考えれば資産価値も高く、すぐに売れるだろうと考えられがちですが、そうでないケースもあるのです。
私の実体験ですが、これまでたくさんの中古マンションの案内をしてきて、超駅近のマンションであっても、見送るケースもあるのです。もちろん値段設定は適正であるという前提条件です。
理由は机上だけではわからない、現地に行ってみて初めて気がつくことです。
超駅近の雑多な雰囲気を、受け付けない人が多い
駅には、マンションだけでなく、人が集まるという場所でもあることから、様々な店舗や会社なども集まってきます。
中には、夜のお店やお酒を提供するような、雑多な雰囲気のお店もあります。
つまり、超駅近のマンションでは周辺環境が、非常に騒がしいものになるということです。
独身の男性であれば、便利と感じるかもしれませんが、女性やお子様がいらっしゃる家庭においては、敬遠したい条件の一つになります。
もちろん全ての駅でこのような雰囲気になるわけではありませんが、程度の差はあれど、このような傾向は強いと思います。
データでも確認できる、超駅近マンションの不人気
超駅近のマンションが敬遠されている様子は、実際のデータを見ても確認することができます。
下の図は、レインズのデータから抽出して作成したもので、主要都市圏において、駅から1分離れるごとに、価格にどのように影響するかを図示したものになります。
基準(データの左端)が徒歩1分となっていて、そこから1分離れるごとの数値が記載されています。
まず注目して欲しいのが、緑色のグラフ、中部圏のデータです。中部圏は、駅から徒歩1分を0とした場合、徒歩7分までは徒歩1分よりも価格は高いことが分かると思います。
中部圏は、他の都市圏と比較しても車社会であるため、駐車場が確保しにくい超駅近は、雑多な雰囲気以外でも敬遠される傾向があります。
次に赤色の近畿圏ですが、こちらも徒歩1分よりも徒歩4分までの方が価格は高くなっています。
最後に青色の首都圏ですが、首都圏については流石に駅から近い方が価格が高くなっていますが、それでも徒歩2分よりも徒歩3分の方が価格は高くなっています。
このようにエリアによって程度の差はあれど、「駅近であればあるほど、資産価値が高い」とはならないことが分かると思います。
その他にも超駅近ならではの注意点が
その他にも超駅近のマンションならではの注意点があります。環境面も含め、超駅近のマンションの注意点を解説します。
他のマンションにはない注意点がありますので、もし超駅近マンションをご検討の方は、ぜひチェックするようにしてください。
飲食店や夜の店が増えることにより、治安や環境
これは夜になると街が活発になるエリアで当てはまることになります。
昼間の内覧時には、そこまで気にならなくても、夜になると雰囲気が急に変わりますので、昼夜はもちろん、朝方の雰囲気も見ておくようにしましょう。
酔っ払いが多い街は、騒ぎ声やトラブルも比例して多くなると考えられます。
駅が近いことによる路線などの騒音
駅から近いということは、線路からも近いということが多いです。そうなると気になるのが列車の音です。
地下鉄であれば問題ありませんが、夜間に貨物列車も走るような環境だと、昼夜問わず電車の音に悩まされるかもしれません。
また人の流れも多くなるので、通勤・通学の時間帯もチェックしておきたいところです。
実需以外の利用も増えることの管理への影響
その他にも超駅近のマンションの特徴として、他のマンションでは禁止されていることが多い、店舗や事務所利用が認められていることがあります。
そうなると、実需と言って、自分たちで住むために購入する以外に、様々な所有目的の人が集まるので、管理面に影響があります。
他にも、立地的に投資目的で購入する人も多いかと思います。
具体的に考えられる管理への影響ですが、様々な利害関係者が増えると組合の決議がまとまりにくくなります。
例えば、自分で住むために所有している実需の方であれば、将来的に長期的な視点を持って判断していくでしょうし、投資目的の人であれば、積立金の値上げが必要であっても、値上げをされると資産価値が下がるので、反対したりと近視眼的になりがちです。
このことが長期的な管理を阻害する要因となります。実際に私が見てきたマンションでも、投資目的の所有が多いマンションは、積立金が全然足りず、将来相当負担が大きくなることが調査の結果で分かることが多いです。
管理組合の財務調査については、以下のリンクも参照ください。
日影規制がない
超駅近のマンションには日影規制がありません。
日影規制とは、建物によってできる影が、周辺の敷地に与える影響を制限するもので、日照権に関わります。
この規制がないと、極端な話、一年中日影の部屋ができても問題ないとなるので、超駅近のマンションは総じて日当たりが悪くなります。
それこそ、バルコニーの向かいがコンクリート、といったこともザラにあります。
また隣に駐車場など、まとまった土地があるときは、他の立地よりも注意が必要になります。
再開発などで環境が変わりやすい
また超駅近の立地は、街にもよりますが、将来的に再開発を計画しているところもあります。
再開発によって、一般的には利便性が増すので、価値は上がりますが、再開発によって環境が大きく変わり、それこそ日が当たってのに当たらなくなるということも考えられます。
超駅近のマンションを購入する際は、再開発計画の話が出ていないか、役所などに問い合わせるようにしましょう。
建物と建物の間隔の狭さによるメンテナンス性
最後のポイントは、あまり気にする方が少ないポイントなのですが、私としては非常に気になるポイントです。
超駅近のマンションは、敷地目一杯に建物を作るので、隣との外壁と外壁の間がほとんど空いていないことがあります。それこそ人が通れない狭さだったりすることもあります。
このような状態のマンションでは、外壁の修繕工事ができません。
実際私も過去に調査していたマンションで、一部の外壁修繕をしていないマンションがありました。
日に当たったり、雨風に晒されるリスクが低いので、劣化も少なく、修繕工事をしなくても大丈夫というアナウンスをする人もいますが、私はそう考えていません。
これは狭小地の戸建てにも言えるのですが、例えば地震が発生して、外壁にクラックができたことのことを考えてみてください。どうやって治すのでしょうか?
そもそもどこにクラックができたのか、調査も困難です。現実的にはロボットを使うのでしょうが、数も限られていますし、高価です。
このようなことを考えると、私としては、建物と建物の間が人も通れないくらいの隙間なのは、リスクであると考えています。あまり気が付かないポイントだとは思いますが、注意するようにしましょう。
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