オフィスのデスクより、
数ある住宅ローンの中で、異質な存在であり、尚且つ多くの方に利用されているフラット35。
異質と言うのは、通常の銀行が「人」に貸すと言われているのに対して、フラット35は「物件」に貸すと言われています。
物件に貸す分、他の銀行とは違った基準を持っていますし、多くの金融機関にとってリスクの大きい(借り手にとってはリスクの低い)長期間固定などといった特徴があります。
正社員だけでなく、色んな働き方に対しても幅広く対応していて、中にはフラット35一本と言う方もいるのではないでしょうか。
そこでここではフラット35の審査で失敗しないために知っておきたい5つのポイントについて解説します。
返済比率
まずフラット35からお金を借りるうえで、押さえておきたいのが「返済比率」です。
返済比率とは、住宅ローンの支出と収入の比率で、フラット35が定める返済比率に収まっている必要があります。
また借入などがある場合は、その金額も返済比率に含まれるので、借入が多すぎると返済比率に収まらなくなる可能性があります。
返済比率はこちらで簡単にシミュレーションできるので、ぜひ気になる方はご利用してください。
https://www.flat35.com/simulation/sim1.html
個人信用情報
個人信用情報とは、金融機関がお金を貸し過ぎや回収不能を防ぐために情報を出し合って共有する仕組みのことです。
大きく分けて3つの機関があります。
都市銀行などと比べて、わりと基準が緩いのが個人信用情報に関わる部分なのですが、それでもあまりに問題があると借りることはできません。
借入が多かったり、ちょくちょく支払いが遅れていたりする方は、事前にチェックしておきましょう。
スマホでもチェックができるCICをとりあえずチェックしておけばいいと思います。
適合証明書が発行できるかどうか
ここから少し専門的な話題になっていきます。
適合証明書とは、フラット35の物件の基準を満たすことを証明する書類のことで、建築士が発行をします。
この適合証明書が発行できないとフラット35を利用することは、どんなに年収があったとしても出来ません。
基準の一つに耐震性があります。1981年6月以降に建てられた物件であれば問題なく利用できますが、それ以前の物件は個別に判断していきます。
またマンションの場合は、管理組合に長期修繕計画があるかどうかも関わってきます。
色んな条件がありますので、最初からフラット35一本でいくときは、物件の選び方も変わってきますので、不動産業者と共有するようにしてください。
銀行窓口よりも、ノンバンク系の方が強い
フラット35の運営母体は、住宅金融支援機構とよばれる公共の機関ですが、直接申し込みを受け付けることはなく、申し込み自体は全国にある金融機関の窓口から行います。
窓口は銀行や信用金庫だけでなく、フラット35の専業業者もいます。どこから申し込めばいいかと聞かれれば、私は「ノンバンク系」でと答えます。
フラット35は担当者(バンカー)次第で通ることも通らないこともあり、そのあたりは銀行や信用金庫の担当者よりも、ノンバンク系が圧倒的に強いです。
客付けに強い不動産会社でないと失敗することも
あとは一番気を付けていただきたいのが、客付けといって、購入者向けの仲介の実績が豊富なところからでないと、人によっては通らないこともあります。
実際私のもとには、他社で通らなくてやってくる方もいらっしゃって、同じ物件で他社では通らなかったのに、弊社で通って無事購入できたこともしばしばあります。
フラット35の取り扱いんになれていれば、物件探しの時からどんな物件を探すか、逆に利用できない物件を見極められますし、多くの場合は腕のいいバンカーと繋がっていたりします。
私が懇意にしているバンカーも30年近く、旧住宅支援機構のときからずっとバンカーとして経験のある方と取引をしています。
ですから、特に自営業の方や非正規雇用の方でフラット35一本でお考えの方は、客付けに強い不動産会社でないと失敗することがありますのでご注意ください。
簡単なようで結構奥が深いのがフラット35です。
あなたもフラット35の利用を検討しているのであれば、ぜひこれらのポイントを押さえておいてくださいね。
宮田明典