オフィスのデスクより、
先週の日曜日、ある名古屋市内の中古戸建を案内しました。
築16年の中古戸建てでリフォームまではしていないまでも、ハウスクリーニングがしてあり、非常に綺麗で、お客様にはとても気にいっていただけました。
結果として購入申込書(商談)をいただくことになりました。
しかし、僕は少し心配でした。
確かにパッと見綺麗なのですが、気になるところがありました。
その家にはウッドデッキがあったのですが、まず嫌な予感がしたのがシロアリです。
家の基礎には防虫処理がされていても、ウッドデッキにシロアリが発生して、家の基礎の部分にも侵食してくる。
実はそんな経験を過去にしていました。
また1階の窓を開けて屋根の下にあたる軒下を見たところ、何となく雨漏りのようなシミが。
その上にあるベランダの目地をみるも特にコーキングがはがれているような様子もないので、どこから雨水が侵入しているのかも分かりません。
僕の目でみても、限界がありそうだなとお客様にインスペクション(住宅検査)のことを説明し、実施するように提案しました。
別途費用がかかるものの、重大な欠陥が隠れていた時のリスクに比べれば、、、ということで納得していただきインスペクションをしました。
その結果がこの間の週末に出たのですが、結果はやはり思った通り。
ウッドデッキにはシロアリの跡があり、基礎部分にもいくつかありました。
その他にも気づいていない箇所で、コーキングといって、外壁のサイディングとサイディングを繋ぐコーキングと呼ばれる目地が割れている何か所かあったりしました。
ちなみにこの目地にあるコーキングが割れていると、そこから雨水が侵入し、建物の構造部分に重大な影響を与えます。
現状建物そのものには雨漏りの後はないとのことでしたが、いつかは漏ります。
給排水管やその他のところは大丈夫という結果でした。
この結果に基づいて、僕は修繕にかかる費用を算出して、その数字を根拠に最終的な金額交渉を行い、何とかもともとの予算で修繕費用も含めることが出来ました。
自分で言うのも何ですが、インスペクションをやっておいて良かった!と心の底から思いました。
お客様も危うく後から後悔するところだったと非常に喜んでくれました。
2018年4月からは実施の有無を、重要事項説明書の中で記入することが義務化されることが決まっています。
これだけ中古住宅の取引量が増えてきているので、とても良い傾向だと思います。
まだまだやっていて「費用は誰が持つか」とか「インスペクターの質はどうか」など色々な問題もありますが、それでもやはりやっておいた方が絶対いいと思います。
あなたも、見た目の綺麗さに惑わされず、古い物件はきちんとインスペクションをして、リスクを回避しましょう。
宮田明典