時事・知識・マインド

実は怖い⁉決断の先送り

2019年7月18日

自宅の書斎より、

先日、対応していたお客様で感じたことがあります。それは決断の先送りについて。

家をいう商品は、人生で一番といわれるほどの金額で、決断には大変なエネルギーが要ります。むしろ勢いがないとできない決断かもしれません。

私自身も同じ経験(買ったのはサラリーマン時代です)をしておりますし、会社でも物件を買ったりすることもあるので、気持ちは良く分かるつもりではいます。

ただ勢いだけではダメで、予算や物件の見極めなど、しかるべき準備はしなければいけません。準備をせずに勢いだけで買い物をしてしまうと、あまりいい結果にはなりません。

しかし、ある程度準備をしていて、後は物件が出てくるのを待つだけという状態もあります。予算と相場が乖離していなければ、希望に近い物件は出てきます。

準備が整っている状態で、物件を待っている中で、希望に近い物件が出てきたときは、いよいよ決断の時です。(ちなみに準備が整っていない状態での決断は先延ばしにした方がいいこともあります)

ここで大体のお客様は決断をされていくわけですが、ごくたまに決断を先送りする方がいます。

物件に対してマイナス要因がない、今後また同じような物件が出てくるかどうかも分からない。そんな状況であってもです。

不動産という取引は、相対取引ですので、時には時間がない中で決断を迫られることもあります。むしろ人気物件であればあるほど、ゆっくり検討する時間は、そこまでないことの方が多いのではないでしょうか。

人は決断をするとき、過去の経験から判断することが多くなります。つまり決断の先送りは、見送った物件が過去の経験として刷り込まれるため、比較対象になります。

大きな買い物なので、よりいいものを買いたいと考える気持ちがより一層強くなります。そうすると、条件がそろっていた物件よりもいいものを無意識に探すようになります。このことは希望物件の幅が非常に狭まってしまうことになります。

このような状態に陥ってしまうと、市場環境や希望条件にもよりますが、次の物件が見つかる可能性が低くなるので、一旦時間を空けた方がいいかもしれません。

はっきりとした理由がない中で、決断を先送りにすることによる怖さはここにあります。また数年単位で購入が遅れることもあるので、その間の家賃や、住宅ローンの借入期間短縮による予算の低下などにも影響があります。

家を購入するのって本当に難しいと思います。普通の消耗品であれば理性的な判断が出来るのですが、高額商品となると感情が絡んできます。

買うと決めても不安はありますし、自分の決断を正当化させようとしてみたり。

これまで数百人という方の住宅購入の決断に立ち会ってきましたが、その難しさをいつも感じます。

宮田明典

P.S

そのほかにも、「なんでもいい」と言っている人ほど実は「なんでも良くない」ということが多いということ。

何でもいいというのは、「何でも大丈夫」ではなくそこまで何も考えていないことの方が多く、決断が迫られたタイミングで急にあれもこれも条件が出てきて、周囲を困惑させることが多いです。

もしあなたのパートナーが「なんでもいい」と言っていたら注意が必要かもしれません。

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